季節外れの発芽
| 気温が上がらず弱々しいけど、ちゃんと育ってほしい |
今年、我が家の小さな家庭菜園では、ゴーヤを大収穫した。小さなサイズのものが多かったが、それでも期間中、数十個、収穫したのでないだろうか。おかげで毎日のように食卓には様々なゴーヤ料理が並んだ。定番のチャンプルー中心に炒め系多々、天ぷら、酢の物、おひたし、などなど。そんな我が家のゴーヤ、9月には役割を終えて、その生涯をまっとうした。菜園に残った茎や根などをきれいに抜き取って、静かな農閑期を迎え、小さな家庭菜園は、次の春を待つはずだった。ところが10月に入って、不思議なことが起きた。というのは、そのきれいになった家庭菜園にどこかで見たことのある芽が出はじめたのだ。そう、それはゴーヤの芽。おそらく収穫が遅れたゴーヤの実が地面に落ちて、中にあった種から芽を出したのだろう。秋とはいえまだまだ暖かな時期に発芽の条件がそろったのではないだろうか。
とはいっても、ずんずんと寒くなるこの季節。このままこの芽が育っていくとは考えにくい。大きくなる前に抜いてしまった方が、この子のためだろうか。それともせっかく芽生えた命、生きていく環境が厳しいと分かっていても、頑張って育てた方がいいのだろうか。家内とともにどうしたものかと考えているうちに、みるみるうちに本葉が広がり、茎や鉉が伸びてきてしまった。そんな姿を目にすると、愛着みたいなものが湧いてきて、抜いてしまうことができず、できるところまで育てようということになった。
この子がこれからの季節を生きていくということは、まさに寒風が吹き荒れる中で、困難しか待ち受けないのかもしれない。もちろん、そんな状況を作ったのは、この自分。判断が遅かったといえばそうなのだが。でも、なんだかこのゴーヤの赤ちゃん、不思議と喜んでいるようにも見える。生きようとしているのが自分には伝わってくる。こうなった以上、こちらもできる限りのことをして育てなければならないですね。どうか、この子が強く生き抜いていけるようお天道さまも協力してほしい。そして、美味しいゴーヤの実を再び我が家にもたらして欲しい。今の自分、そう願わずにはいられないのです。
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