一人、新宿御苑

紅葉にはまだ早いが、午前中からにぎわっていた

先週末のこと。家内が1年ぶりに実家に帰った。最近、お義母さんが元気がないそうなので心配になって様子を見に行ったのだ。お義母さんは確か87才、自分たちが年を取った分、当然、お義母さんも年を取ったわけで、年月の過ぎ行くのは早いものだと実感している。数年前、うちの親父が89才で亡くなり、母は今、91才で寝たきりだ。ただ、お義母さんは快活で行動的な方なので、これからも元気に長生きしてくれると思っている。

そういう自分も、まだまだ負けていられない。この日は天気が良かったので、運動がてら一人、新宿御苑まで行ってきた。新宿御苑は何年ぶりだろう。確か子どもたちがまだ小さいころに家族4人で行ったのだと思う。当時の記憶がよみがえってきた。広場にはしゃぐ子ども達。色がつき始めてきたプラタナス並木。迷路のような温室。子ども達と池を眺めた旧御涼亭。この場に来ることで引き出しの奥深く閉じ込めていた記憶が次々と瞼に浮かんできた。

あれから20年以上は経っているはず。自分はこんなにも年を取ってボロボロになってきたのに、この新宿御苑はあの頃と見た目はそう変わってはいない。スタバができているくらいかな。植物はどうだろう。木はどうなんだ。あれから樹齢を20年重ねているはずなのに、まるで時が止まったままのようだ。時間は一定のはずなのに、早くもなり遅くにもなる。つくづく時間とは不思議なものだ。

これからの人生、少なくとも振り返ったときに「よくできました」と自分に言えるよう丁寧に時間を過ごしていきたい。さしあたり家内と二人、穏やかな日々を過ごして暮らしていければと思う。そのうち、娘たちはおばさんになり、孫たちは大人になるのだろう。そうした周りの成長を皴の増えた顔でニコニコしながら見て、静かに朽ち果てたい。

この日、紅葉には少し早かったみたい。

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